研究内容 岩手医科大学歯学部歯科補綴学第1講座



 当講座の研究テーマは、超高齢社会への対応です。我が国の人口構成は2020年には4人に1人が65歳以上になると予測されています。若年者の齲蝕激減のなか、歯科的ニーズはますます高齢者にシフトしており、特に補綴治療を必要とする高齢患者が今後20年間は増加を続けることが推測されています。ただし留意すべき点は、増加する高齢者層は均一ではなく、我が国の高度成長期を支え、多種、多用の価値観を持ついわゆる団塊の世代が高齢者層に加わること、さらに後期高齢者においては要支援高齢者が急増することです。前者に対しては極めて高い患者の要求に応える必要があり、後者においては摂食・嚥下障害患者への対応がキーとなると考えます。そこで、研究内容を

「咀嚼・嚥下機能に及ぼす有床義歯の役割」
「高齢義歯装着者の審美評価」
「インプラント義歯の咬合」
「義歯用材料の評価と開発」
「歯の喪失が高次脳機能に及ぼす影響」
「有限要素解析を用いた補綴設計理論」
「有限要素解析を用いた生体材料のモデリング、寿命予測」
の7つとし、検討をすすめております。


有限要素1


歯とその周囲骨の有限要素モデルを構築し、それに加わる応力を計算しています。歯根膜の弾性係数を非線形で与えることにより解析の難度は格段に難しくなります。


有限要素2


ある物体の有限要素モデルを塑性変形させたところです。こういった材料系の実験も行っています。


他にも、摂食・嚥下系、高次脳機能系、義歯床用材料系などをメインに研究、発表しております。