2011-09-06
③摂食・嚥下リハビリテーションの実際
初めにアンケートを書いていただき、検査を行います。少量の水を飲んだり、実際に物を食べてもらうような検査です。さらに詳しく症状を把握するため当外来では内視鏡やレントゲンを利用した検査も行うことがあります。
検査が終了すると、患者様ひとりひとりに合わせたプログラムを立て、リハビリを行っていきます。
* 間接訓練(食べ物を利用しない基礎訓練)
・くちびるや頬のマッサージおよび筋力トレーニング
・舌や首の運動
・発音訓練
・アイスマッサージ
Etc
* 直接訓練(食べ物を利用した訓練)
・訓練食を用いた訓練
・嚥下代償法を用いた訓練
Etc
その他、栄養摂取法についての指導や、口腔ケアや舌接触補助床(PAP)などの補綴装置の製作も行います。
入院されている患者様だけではなく、通院しながらリハビリを行う患者様もいらっしゃいますので、お家でできる練習方法や食事の方法などもアドバイスいたします。
唇顎口蓋裂や脳性麻痺などの発達障害が原因の場合は他科(矯正歯科、障害者歯科診療センター等)と連携をとりながら治療を行います。
2.専門的口腔ケア
摂食・嚥下障害が引き起こす問題のひとつに誤嚥性肺炎があげられます。高齢者の肺炎の多くは誤嚥性肺炎(ものをうまく飲み込めないことによる肺炎)であり、その予防にはお口の中の環境をきれいにすることが重要であることがわかっています。
入院中などで、口から食べていなくても口腔ケアは重要であり、適切な口腔ケアを行うことによって、入院期間の短縮へとつながると言われています。
口腔リハビリ外来では、岩手医科大学付属病院の入院患者様の口腔ケア、または、患者様・看護師・ご家族などへの口腔清掃指導、また、外来通院患者様に対する口腔ケアを行っています。
口腔リハビリ外来は、病院内における専門的口腔ケアを提供しており、岩手医科大学VAPチームに参加する歯科衛生士の研修等も行っております。
注:VAPチームとは人工呼吸器関連肺炎防止活動チームの略
3.義歯などへの応急的対応
入院による長期の義歯撤去や、体重減少によって義歯が不適合になることはよく知られています。義歯は上手に使えば色々な種類の食事をすることができ、QOLの向上へとつながります。また、全部床義歯(総入れ歯)などの大きな義歯は、飲み込むことにも影響を与えると考えられています。
口腔リハビリ外来では、歯科の各専門家と連携してその対応にあたっています。口腔のことや歯のことで困ったことがあればご相談ください。ベッドサイドでの診察も可能です。
4.ドライマウス(口腔乾燥症)とその対応
加齢変化や、全身疾患、放射線治療後、薬の副作用、酸素吸入など、様々な理由によってドライマウスと呼ばれるお口の症状が表れることがあります。お口の中が乾燥すると、ものが食べにくくなるだけでなく、会話がしづらい、舌がヒリヒリと痛むなどの症状が表れることがあります。
口腔リハビリ外来では、保湿を中心とした対症療法を主体にドライマウスへの対応を行っています。
受診を希望される方、ご質問がある方は下記番号までお電話下さい。
岩手医科大学付属病院 歯科医療センター 口腔リハビリ外来
019-651-5111 内線(4200)