口腔リハビリ外来とは 岩手医科大学附属歯科医療センター口腔リハビリ外来

口腔リハビリ外来とは
2011-09-06

 口腔リハビリ外来は、口腔機能障害、特に口から食べる機能のリハビリテーションを専門的に行う科で、他にも関連する病態への専門的対応を行っています。

口腔リハビリ外来が専門とする分野

 1.摂食・嚥下障害とそのリハビリテーション
 2.専門的口腔ケア
 3.義歯などへの応急的対応
 4.ドライマウス(口腔乾燥症)とその対応
 5.味覚障害とその対応
 6.入院や寝たきり、高齢や廃用による口腔機能障害とその対応

1.摂食・嚥下障害とそのリハビリテーション

①摂食・嚥下障害とは?

 口から食べる機能の障害のことを、専門的な言葉では「摂食・嚥下障害」といいます。

皆さん、最近こんなこと気になりませんか?

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 これらの症状は、すべて口から食べる機能(摂食・嚥下機能)に障害があるサインです。 口から食べることは、目で見て、口にとりこんで、咀嚼して、舌で咽に送り込み、飲み込む、すべての過程のことを意味しています。この過程のどこかに障害があることを、摂食・嚥下障害といいます。 

②摂食・嚥下障害の原因

加齢変化
 高齢になると筋力が衰え、物を飲み込む力も落ちてきてしまいます。また、歯の本数が減ったり、唾液の出が悪くなり、よく咬むことができず、うまく飲み込めなくなってきます。また、気管に食べ物が入ってもうまく出すことができなかったり、気管に入ってもむせずに肺に食べ物が入り肺炎を起こしてしまうことがあります。これを誤嚥性肺炎といいます。

脳血管障害(脳梗塞・脳出血)
 脳血管障害は日本人の死因第三位の病気ですが、要介護になる原因としても有名です。舌や咽に構造上の問題はなくても、舌の動きが悪くなるために上手に食べ物を口の奥のほうに運べなくなったり、咽に食べ物があっても飲み込む反射運動がなくなったり、弱くなることがあります。食べる順序が分からなくなることもあります。

口腔・咽頭がん手術後
 口腔がんの手術の範囲は「食べる」ために必要な機能が集まっているところです。そのため、術後にはほぼすべての人に『摂食・嚥下障害』が現れます。また、手術後、放射線治療などにより瘢痕が形成されお口が開けづらくなったり、舌がうまく動かなくなることがあります。

唇顎口蓋裂などの先天的形態異常
 先天的な異常があると授乳が困難になるため早期に治療が必要となります。

その他(気管切開、経管栄養 etc)
 その他、口腔乾燥や義歯、お薬の副作用で生じることもあります。

(次ページに続く)

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