ご飯を食べない訓練をするのはなぜですか?
2011-09-06
摂食・嚥下障害の訓練方法は、食物を用いる直接訓練と食物を使わない間接訓練の2つに分けられます。歩くためのリハビリには、歩くことが一番効果的であるのと同じで、口から食事を食べるためには、口から食べることが一番効果的です。しかし、機能がある程度まで回復していないと、いきなり食べさせることは誤嚥や窒息などのリスクが高いといえます。実際に食べ物を摂取し、「食べる」という一連の動作の流れをつかむ直接訓練に対して、間接訓練は誤嚥や窒息のリスクが少なく、各器官の運動に特異的に働きかけることができるので、嚥下の基礎的な予備力の向上のために用いられます。
また、重度の嚥下障害で、現段階では食べ物を用いた訓練(直接訓練)では誤嚥のリスクが高いと判断される方にもまず間接訓練を行い、嚥下機能がある程度改善してから直接訓練を併用していきます。