口腔ケアと誤嚥のリスク 岩手医科大学附属歯科医療センター口腔リハビリ外来

歯を磨きたいのですが誤嚥のリスクが心配です。 2011-09-06

 気をつけなければいけないことは「水分の扱い」です。一般的には、体位は座位や半座位が誤嚥を起こしにくいとされています。どの体位においても頸部の角度が重要で、口が上を向きすぎると誤嚥しやすくなるので注意が必要です。また、うがいも可能な場合は行いますが、うがいが無理な場合はスポンジブラシやガーゼなどにて頻回口腔全体をぬぐい、水分を除去します。誤嚥しやすい方の場合は、水分の代わりにジェルタイプの保湿剤を用いるのも有効です。片麻痺の患者さんでは、健側を下にするなど、特別な体位が良い場合もあります。大事なことは、その方のベストポジションを見つけるということです。
 うがいをする際に気をつけるポイントは、喉へ水分が流れ込むのを防ぎ、口腔内に水分を留めるためにも「下を向いてブクブクうがいをして下さい」と伝えることです。単にうがいをして下さいと伝えると多くの患者さんが上を向いてうがいをしようとする場合が多いので注意が必要です。

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