寝たきりの場合の治療 岩手医科大学附属歯科医療センター口腔リハビリ外来

寝たきりの場合はどうしたらいいですか?

2011-09-06

 寝たきりの場合、摂食・嚥下障害が疑われても、自ら通院することはできません。大都市では訪問介護システムが発達してきており、訪問歯科などでは摂食・嚥下障害の治療も行っている所があります。寝たきりで要介護段階の高い方は訪問歯科を受診することが可能です(基本的に歩ける方は訪問歯科を受診することができません。介護される必要があるような方を対象としています)。もし訪問看護などを定期的に受けられている場合や担当のケアマネージャーがいらっしゃる場合、相談すれば訪問歯科を紹介していただける可能性があります。ただ紹介された訪問歯科が全て摂食・嚥下障害の治療を行っているかどうかはわかりません。訪問歯科では虫歯や義歯などの治療がメインであり摂食・嚥下障害の範囲までやっている所はまだ少ないのが現状です。

 当病院の口腔リハビリ外来では、将来的には検討をしておりますが、残念ながら現時点では訪問歯科は行っておりません。寝たきりの方で通院が困難な場合には、摂食・嚥下障害の精密検査を1日ですべて行う「1日外来検査・指導」や、3日から7日程度の「検査・指導入院」によって対応しております。摂食・嚥下障害の診察や検査には、通常の診療よりも長時間を要するため、すべての診療や検査は、事前予約制によって行っております。患者さんの症状や入院状況によって、1日外来検査・指導や検査・指導入院などの対応が困難となる場合もございますので、一度お電話にてご相談下さい。

 1日外来検査・指導や検査・指導入院では、担当医がお電話にてあらかじめ症状をお聞きした上で、来院日を予約していただきます。問診や簡単な機能評価をした上で、精密検査を行い、診断を行います。その後、食べる筋肉の訓練などの訓練メニューや、最適な食事の内容や姿勢、一口量やスピード等の指導も行います。重度の摂食・嚥下障害の場合では、口の周りの筋肉が衰えないような運動とゼリーなどの食事、体をリクライニングさせる角度等の指導も行います。詳しくは担当医までご相談下さい。

注:必ず事前にお電話にてご相談ください。精密検査は事前の予約が必要なため、予約なしに来院されても検査はできません。

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