口腔ケアの重要性 岩手医科大学附属歯科医療センター口腔リハビリ外来

口腔ケアはなぜ重要なのですか?
2011-09-06

 口腔内には虫歯に関わる菌、歯周病に関わる菌などがたくさんいます。プラークと呼ばれる口の中の歯垢1グラムには大便と同じくらいの細菌がいると言われています。もっとも問題になるのは、口腔内の細菌が誤嚥性肺炎の発症と深く関係しているということです。肺炎は老人の友という言葉があるように、肺炎(日本人の死因第四位)でお亡くなりになる方の9割以上が65歳以上の高齢者であると言われています。年をとると、飲み込みの反射が弱くなって、唾液をいつのまにか誤嚥しやすくなるだけではなく、気管の中に入った唾液を咳によって出す反射も弱くなります。これに、免疫力の低下などの要因が重なると、肺炎を発症しやすくなると考えられています。近年の要介護高齢者を対象とした研究では、歯科専門職による専門的な口腔ケアによって、肺炎の発症率を低下させることができることが明らかになっています。また、近年においてはただ単に口の中をきれいにするというのが目的ではなく、口の中を刺激することにより感覚を与え続ける役割も果たすと言われています。当科では、外来患者さんや入院患者さんの口腔ケアの指導や、看護師やご家族に対する指導、口腔ケアの道具の選択、専門的な口腔ケアを行っています。ご不明な点があればご相談下さい。

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