入れ歯の寿命 岩手医科大学 歯科補綴学講座 有床義歯補綴学分野

入れ歯の寿命について

2011-09-06

入れ歯を長く使っているとよく起こることとしては
①入れ歯が緩くなってきた
②かむ面がすり減って平らになってきた
 この2つが代表的なものでしょう。
 どんないい入れ歯でも少しずつあわなくなってきます。緩い入れ歯を無理して長く使っていると、歯ぐきの土手がなくなってしまうと考えられています。歯ぐきの土手の高さや幅は入れ歯を支えるのに重要で、これがなくなると入れ歯を安定させるのが難しくなります。また、がたがたしているわけですから、歯ぐきと接触して傷を作ってしまうこともあります。
 同じ入れ歯を10年、20年と使用されている方もいらしゃいますが、そういった方はまれな方です。ほとんどの場合、緩い、噛み合わせがすり減ったという理由で何年かに1回作りなおすことになります。

医学的には3年~5年で修理または新製を検討するのが一般的です。緩くなってきた場合、入れ歯の裏側に歯科材料をひくことによって再びぴったりさせることができる場合があります。ぴったりさせられれば同じ入れ歯を使用していくことが可能になります。緩い入れ歯を我慢して使用せず、かかりつけの歯科医院などで適切な処置を受けましょう。

咬耗

写真のようにかむ面が平らになってしまった場合、当然山があったときと比べて物をかみ砕いたりする能力はダウンします。また、かみ合わせが悪いと入れ歯ががたがたしやすくなるため、上の入れ歯が落ちやすくなったりします。このような場合には入れ歯を修理、新製する必要があります。




部分入れ歯の金具をかけている歯がぐらぐらしています。作り直しですか?

 金具をかけている歯がぐらぐらしてきたら、その歯を抜歯しなければいけないかもしれません。殆どの場合、抜歯した後に入れ歯に歯を足して修理することが可能ですが、金属を多く使用されている入れ歯をお使いの場合、修理が難しい場合もあります。修理後に抜いた歯ぐきがしっかり治ってくると入れ歯があわなくなってきますので、再度修理をしてぴったり合わせ直すこともあります。
 修理した後、見た目を重視される場合は抜いた歯ぐきがしっかり治るのを待ってから新しく作り直す場合もあります。また、何本も一気に抜歯したりした場合も新しく作り直した方がよいでしょう。

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