入れ歯とインプラントどちらがよいのでしょうか？
2011-09-06
入れ歯とインプラントの選択でお悩みの方は多いのではないでしょうか？インプラントには、大きく分けて2つの種類があります。
1.インプラントを打ったその上に差し歯を入れる方法
2.インプラントを打ったその上に入れ歯をのせる方法
一般的にインプラントとは1を指すと思います。
注意していただきたいのは、インプラントは万能なものではないということです。条件が整わないのに無理に打つと失敗する可能性があります。条件としてよくいわれるのは
①体調がよい、喫煙していない
糖尿病がうまく管理されていなかったり、喫煙している方は成功する確率が相当低くなります。糖尿病に罹患いるが血糖値やHbA1cの値をしらない、腎臓が悪く透析を受けていて感染しやすい、毎日多量に喫煙している、心臓や脳に異常があり外科処置自体のリスクが高い等色々な状況が考えられます。喫煙は歯ぐきの治りや歯周病にもかなり影響を与えますのでインプラントの予後がかなり悪くなります。他にもインプラントがもたないような状態であればインプラントではなく入れ歯を選択するべきです。
②長いインプラントを打つだけの十分な骨がある
骨に短いインプラントを打った場合、土台となる部分が弱い耐震強度のない家のような状態になってしまいます。ある程度の長さ、径を有するインプラントを打つことができるだけの骨の量が必要です。最近は骨移植などで骨がない場合でもある程度は対応できるようになってきました。
③かみ合わせる歯の状態など周囲の状態が整っている
インプラントだけよくても、周囲の状態が悪ければ結局は失敗する可能性は高くなります。お口の中の他の部位の状態も整っている必要があります。他の部位が歯周病でやられていれば、当然インプラント部にも悪影響がでることが予想されます。
④長い治療期間に耐えられる
インプラントは打ったらすぐに使用できるものではありません。骨としっかりくっついたのを確認してからでないと使用できません。症例によってはしっかりくっつく期間を待つために何ヶ月か入れ歯をいれなければいけない場合もあります(最近は打ってすぐに使う方法も多くやられるようにはなってきましたが症例によります)。
⑤定期的に通院できる
インプラントは完成したらそれで終わりにはなりません。インプラントは自分の歯の根よりもしっかりお手入れしていただく必要があります。もちろん何ヶ月かに一度必ず通院して状況をチェックさせていただく必要があります。
他に
・お金の問題がクリアできる
当然保険がききませんのでかなり高くなります。当大学で3本程いれると、上物や検査料含めて100万円前後します。かなり高価なものとなります。
もちろん、インプラントをたくさん埋めて差し歯のタイプにした方が見た目もきれいになります。しかし、インプラントを打つ場所が限定されるような場合、インプラントの上に入れ歯をのせるようなタイプが適応になります。インプラントという固定源ができますので、通常の入れ歯よりも動きにくい入れ歯を作ることができます。
これらの条件がクリアできない(骨の量が全くないなど）は通常の入れ歯を選択することになるでしょう。また、噛み合わせを大幅に変更したり、噛み合わせの高さを変えたりする場合など、通常の入れ歯の方が適していることもよくあります。歯科医院でしっかり診断してもらった方がよいでしょう。
